夜勤特有の恐ろしい病気、交代勤務睡眠障害とは?!
交代勤務睡眠障害とは?
夜勤により、睡眠リズムが頻繁に変わることで眠りが浅くなり、何度も途中で起きてしまう睡眠障害が引き起こされます。これを交代勤務睡眠障害といいます。
典型的なものでは、夜間の勤務を終えて朝方から睡眠を取る際になかなか寝付けず、寝付いても何回も目が覚めてしまうと言う症状が認められます。起床後に疲労回復感が乏しく、夜間の勤務時間帯における眠気と注意集中困難および作業能力の低下が見られます。
※出展:厚生労働省e-ヘルスネット「交代勤務睡眠障害」より引用。
睡眠障害が起こると単純な睡眠不足だけではなく、肉体的・精神的な不調が出てきます。夜勤時には常にこの状態で勤務してるため、眠気不足からくる集中力の低下には苦しめられます。
また、夜勤シフトと日勤シフトを週交代で行っていたため、過度な睡眠リズムの乱れからひどく疲労。作業ミスまで起こしてしまうと、悪循環が続いてさらに追い込まれることにも。
眠れる、眠れない等の個人差はありますが、睡眠がしっかり取れていないと夜勤でおかしくなってしまいます。
自律神経に乱れが生じる
夜勤をやっていると朝起きた時に、頭痛やダルさ、めまいが出たりすることがありますよね?
それは自律神経の乱れが原因で症状が出ているのです。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、この二つがバランスよく働いていることが健康維持するためのポイントになります。
車に例えると、交感神経にはアクセルの様な役割があり、集中して活動的になるときに働く神経。一方の副交感神経にはブレーキの様な役割があり、リラックスしたり深く眠るときに働く神経で、これらはシーソーの様な関係(下図)で働いてます。
※出展:マイナビ看護師ナースぷらす+「自律神経を乱す夜勤。その「なんとなくの体調不良」食事で整えましょう」より引用
本来交感神経が休むはずの夜間帯に起きて夜勤をしていることで、交感神経が働き過ぎの状態に。
結果的に、上の図のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のバランスが夜勤で崩れてしまうことで症状になって体に表れて来ます。
太りやすくなる
先ほどの自律神経の乱れは食事にも大きく影響します。
夜勤者が3食食べた場合、日中とは異なって太りやすくなることが解っています。
それは体内にあるBMAL1(ビーマルワン)という体内リズムの調節するタンパク質が関係しています。
このタンパク質が体内に多く存在する夜22時から朝5時までの時間に食事を取ることで、栄養がより脂肪として蓄積されてしまうということです。
夜勤者のお腹が減る時間帯に食事してしまうと太りやすくなるんですね😅
老化が進む
人間の体内には体内時計があり、それが上手く機能していることで一定の時間に眠くなります。
しかしその体内時計が夜勤によって狂わされることで体内の老化が進んでしまいます。その原因はメラトニンというホルモンが関係してきます。
メラトニンは眠りを誘うほかに、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促し、疲れを取るために病気予防、老化防止にさまざまな効果を持つホルモンの一種です。
メラトニンは、朝に太陽の光を浴びたあと、夕方頃暗くなると分泌されることで身体に眠りを促してくれます。しかし、夜勤では夜中に明るい状態で過ごすことになり、メラトニンの分泌が抑えられてしまいます。
それにより睡眠不足や体内時計が狂ってしまうことになってしまいます。
よく言われる太陽の下に出て日を浴びた方が良い、というのもこの体内時計をリセットするためなんです。夜勤生活では、生活サイクルや体内時計が狂うことで老化が進む要因になってしまいます。